GB350のオーナーにとって、バッテリー上がりは最も避けたいトラブルの一つです。突然のエンジントラブルは、楽しい一日の計画を台無しにするだけでなく、出先での不安や予期せぬ出費につながりかねません。
この記事では、GB350のバッテリー上がりに直面したオーナーのために、その原因から緊急時の対処法、さらには二度と繰り返さないための根本的な解決策までを網羅的に解説します。
バッテリーの規格や搭載位置も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
これってバッテリー上がり?見分けるための3つのチェックポイント
バッテリーの電力が不足すると、バイクは様々なサインを発します。以下の3つのポイントを確認することで、高い確率でバッテリー上がりかどうかを判断できます。
- セルモーターの反応
- 灯火類の明るさ
- ホーンの音量
それぞれ見ていきましょう。
セルモーターの反応
正常なバッテリーであれば、セルボタンを押すと「キュルルル」という勢いのある音とともにエンジンが始動します。
しかし、バッテリーが弱っていると、この音が弱々しくなったり、リレーが作動する「カチッ」という音だけがしてモーターが回らなかったりします。
セルモーターの反応が悪い場合は、エンジンをクランキングさせるだけの十分な電力を供給できていない典型的な症状です。
灯火類の明るさ
キーをONの位置にしたとき(エンジンは始動させない)、メーターパネルの表示やニュートラルランプ、ヘッドライトが普段より暗い、またはチカチカと点滅するような場合は電圧低下のサインです。
ウインカーの点滅がいつもより遅くなる、あるいは点灯したままになるケースも同様です。
ホーンの音量
ホーンは作動時に比較的大きな電力を必要とします。
セルボタンを押す前にホーンを鳴らしてみて、「ビーッ!」という鋭い音ではなく、「ビー…」とかすれたような小さな音しか出ない場合も、バッテリーの電力が不足している有力な証拠となります。
なぜバッテリーが上がるのか?GB350で特に多い3つの原因
GB350のバッテリーが上がる原因はいくつか考えられます。
- 長期間乗らないことによる自然放電
- 過放電とバッテリー寿命
- 冬場の低温による性能低下
特に注意すべき3つの原因を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
長期間乗らないことによる自然放電
バイクに乗っていない間も、バッテリーは少しずつ自然に放電していきます。
さらに、GB350のようなFI(フューエルインジェクション)車は、エンジンコントロールユニットや時計などの電子機器が待機電力を消費しており、キーがOFFの状態でも微量の電気を使い続けています。
数週間から1ヶ月程度乗らないだけで、エンジン始動に必要な電圧を下回ってしまうことがあるため注意しましょう。
過放電とバッテリー寿命
バイク用バッテリーの一般的な寿命は2〜3年とされています。
また、一度でもバッテリーを完全に上げてしまう「過放電」状態にすると、バッテリー内部の電極板が化学変化(サルフェーション)を起こし、蓄電能力が著しく低下します。
バッテリー上がりを繰り返すと、たとえ充電してもすぐに電力がなくなってしまい、寿命を大幅に縮める原因となります。
冬場の低温による性能低下
バッテリーは化学反応によって電気を蓄えたり放出したりしていますが、この反応は温度に大きく影響されます。
特に冬場は気温の低下に伴い、バッテリーの性能自体も低下します。
同時に、冷えたエンジンオイルは粘度が高くなり、始動時により大きな力(電力)が必要になるため、バッテリー上がりが起こりやすくなるのです。
【対処法】GB350のバッテリーが上がった時の3つの選択肢
バッテリーが上がってしまった場合、パニックになる必要はありません。状況に応じていくつかの対処法があります。
- バッテリー充電器を利用する
- ロードサービス(JAF・任意保険)を呼ぶ
- ジャンプスタートでエンジンを始動する
それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な選択をしましょう。
バッテリー充電器を利用する
もし自宅のガレージなど、電源が確保できる場所でバッテリーが上がってしまった場合は、バッテリー充電器を使用するのが最も安全で確実な方法の一つです。ジャンプスタートのように即座にエンジンを始動させることはできませんが、バッテリーに負担をかけることなく、適切な電力で時間をかけて満充電の状態に戻すことができます。
高性能な充電器であれば、バッテリーの状態を診断しながら最適な方法で充電してくれるため、過充電の心配もありません。
また、充電器の使用は、バッテリーの性能を回復させ、寿命を延ばすことにも役立ちます。いざという時の準備として、1台持っておくと便利でしょう。
オプティメイトはサルフェーション除去機能付き
オプティメイト(OptiMate 4 Quad Program)は、バッテリーの寿命を縮める原因となるサルフェーションを除去する機能を備えています。サルフェーションとは、バッテリー内部で発生する硫酸鉛結晶のことで、これが電極を覆うことで充電効率が低下し、最終的に寿命短縮に繋がります。
オプティメイトは、このサルフェーションを取り除くために、最大22Vの高電圧※と独自のパルス充電技術を採用しています。バッテリーの状態をリアルタイムで監視しながら、バッテリーの状況に合わせてサルフェーションを除去します。
※車載時には最大16Vでの回復充電です。Can-busモード時は回復充電機能はご利用頂けません。いずれも車両側を保護するために自動で制御をします。
ロードサービス(JAF・任意保険)を呼ぶ
自分でやるのは難しい、充電器を持っていないという方は、ロードサービスを呼びましょう。JAF(日本自動車連盟)や、加入している任意保険に付帯するロードサービスが利用できます。
JAF会員であれば、バッテリー上がりの応急始動(ジャンプスタート)作業は原則無料で、年間利用回数の制限もありません。
ただし、非会員の場合は有料になってしまう点や、場所や時間によっては対応が遅くなる可能性もあるため注意しましょう。
ジャンプスタートでエンジンを始動する
救援してくれる車やバイクがあり、ブースターケーブルを持っていれば、自分でエンジンを始動させることができます。これは「ジャンプスタート」と呼ばれる方法です。正しい手順で行えばバッテリー上がりを解消できます。
【ジャンプスタートの手順】
①GB350と救援車のエンジンを切り、両方の車両が接触しないように配置します。
②赤いケーブルのクリップを、GB350のバッテリーのプラス(+)端子に接続します。もう一方のクリップは、救援車のバッテリーのプラス(+)端子に接続します。
③黒いケーブルのクリップを、救援車のバッテリーのマイナス(ー)端子に接続します。
④残った黒いケーブルのクリップを、GB350のバッテリーのマイナス(ー)端子ではなく、エンジンの金属部分やフレームの塗装されていないボルトなどに接続します。
⑤救援車のエンジンを始動し、数分間アイドリングさせてGB350のバッテリーに電気を送ります。その後、GB350のエンジンの始動を試みます。
⑥エンジンがかかったら、接続した時と全く逆の順番でケーブルを取り外します。
手順を間違えると車両の故障やショートの原因となるため、細心の注意を払って作業してください。
GB350乗りなら必須!バッテリーの規格・位置
トラブル時に慌てないため、そして日頃のメンテナンスのために、愛車GB350のバッテリーに関する基本情報を正確に把握しておくことは非常に重要です。ここでは、バッテリー位置や規格を解説します。
GB350のバッテリー搭載位置
GB350のバッテリーは、車体の左側、鍵穴があるサイドカバーの内側に搭載されています。サイドカバーはキーでロックを解除し、手前に引くことで取り外すことが可能です。
カバーを外すと、バッテリーホルダーで固定されたバッテリーが見えます。位置を知っておくだけで、点検や充電、交換作業がスムーズに進められます。
参照:GB350 シリーズ よくあるご質問 クイックガイド|HONDA
GB350のバッテリー規格
GB350のバッテリー規格は以下の通りです。
| 車名 | 排気量 | 車両型式 | 始動方式 | 適合バッテリー | 
| GB350 | 350 | 8BL-NC59 | セル | YTZ7S | 
| GB350 C | 8BL-NC64 | |||
| GB350 S | 8BL-NC59 | 
GB350に標準で搭載されている純正バッテリーは、ジーエス・ユアサ製の「YTZ7S」です。バッテリーを交換する際は、この「YTZ7S」と互換性のある製品を選ぶ必要があります。
参照:GB350 シリーズ よくあるご質問 「バッテリーのメーカー型式を教えて」|HONDA
GB350のバッテリー上がりには高性能充電器「オプティメイト4」がおすすめな理由3つ
バッテリー上がりを一度経験すると、「また起こるのではないか」という不安がつきまといます。バッテリー上がりの不安を解消するには、高性能なバッテリー充電器による日々のメンテナンスが有効です。
数ある充電器の中でも「オプティメイト4」には以下のような特徴があります。
- 弱ったバッテリーを診断・回復するサルフェーション溶解機能がある
- 0.5Vの完全放電状態からでも救出を試みられる
- 全自動メンテナンス機能でまるごとお任せできる
それぞれについて詳しく紹介します。
弱ったバッテリーを診断・回復するサルフェーション溶解機能がある
オプティメイト4には、バッテリー上がりの大きな原因である「サルフェーション」を診断し、特殊なパルス電流で結晶を分解・溶解させる強力な回復機能を搭載しています。
サルフェーションは、放電時に発生する硫酸鉛が硬い結晶となったもので、これがバッテリー内部の電極板に付着すると、正常な充電・放電を妨げてしまいます。
一度上がってしまい、性能が低下したバッテリーでも、この機能によって復活・延命できる可能性があります。新しいバッテリーの購入費用を節約できることは、大きなメリットです。
0.5Vの完全放電状態からでも救出を試みれる
他の充電器では充電不能と判断されるような、電圧が0.5Vまで低下した「完全放電」状態のバッテリーに対しても、救出を試みる高度な回復プログラムを備えています。
長時間バッテリーが上がってしまっていたような絶望的な状況からでも、高額なバッテリー交換を回避できる可能性が残されています。
「もうダメかもしれない」と思ったバッテリーを救える可能性がある、まさに最後の砦とも言える機能です。
全自動メンテナンス機能でまるごとお任せできる
診断から回復、充電、メンテナンスまで、9つのステップを全自動で行います。
ユーザーはバッテリーに接続するだけで、あとはオプティメイト4にお任せできる点が魅力です。バッテリーに関する専門的な知識がなくても、誰でも簡単に最適なメンテナンスが実現します。
過充電の心配は一切なく、バイクの繊細な電子機器にも安全な設計です。そのため、特にバイクに乗らない期間が続く場合でも、つないでおくだけでバッテリーの状態を最適に保ち続け、いつでも最高のコンディションを維持できます。
GB350のバッテリーに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、GB350のバッテリーに関する質問とその回答をまとめました。
Q. 一度上がったバッテリーはもう使えませんか?
A. 必ずしもそうとは限りません。バッテリーの年式や劣化の度合いによります。
比較的新しい(2年未満など)バッテリーであれば、「オプティメイト4」のような高性能充電器が持つサルフェーション溶解機能によって、性能を回復させて寿命を延ばせる可能性は十分にあります。
しかし、3年以上使用しているバッテリーや、過去に何度も上がっているバッテリーは、内部の劣化が進行しているため、交換するのが賢明でしょう。
Q. GB350のバッテリー上がりは自然回復しますか?
A. バッテリー上がりが自然に回復することはほぼありません。
気温の上昇などで一時的に電圧がわずかに戻り、エンジンがかかることが稀にありますが、それは蓄電量が回復したわけではなく、根本的な解決にはなっていません。むしろ、それはバッテリーが劣化しているサインであり、放置すれば自己放電によって状態はさらに悪化するだけです。
Q. 冬にバッテリーが上がりやすいのはなぜですか?
A. 主に2つの理由が重なるためです。
ひとつは、寒さによってバッテリー内部の化学反応が鈍くなり、バッテリー自体の性能が低下するため。もうひとつは、エンジンオイルが硬くなるため、エンジンを始動させるのにより多くの電力が必要になるためです。
冬は性能が落ちたバッテリーで、より大きな仕事をさせられるという厳しい条件下に置かれるため、トラブルが急増します。
充電器でバッテリー上がりを予防してGB350とのバイクライフを楽しもう
GB350のバッテリー上がりは、特に冬場や乗る頻度が少ない場合に起こりやすく、多くのライダーが経験するトラブルです。しかし、その原因と正しい対処法を理解すれば、決して怖いものではありません。
セルが弱々しく回る、灯火類が暗いといった症状が出たら、まずはバッテリー上がりを疑いましょう。緊急時にはロードサービスやジャンプスタートなどの対処法も有効です。
最も重要なのは、トラブルが起きてから対処するのではなく、未然に防ぐことです。「オプティメイト4」のような高性能充電器によるメンテナンスは特におすすめです。
オプティメイト4があれば、弱ったバッテリーを回復させ、常に満充電の状態を保つことでバッテリーの寿命を最大限に延ばし、「エンジンがかからない」という突然のトラブルを回避できます。
突発的なトラブルで貴重なツーリングの時間や高額な出費を失う前に、オプティメイト4で、愛車を常に最高のコンディションに保ちましょう。














